コロナの騒ぎで医療現場はたいへんだと思いますが、妊婦のみなさんも不安に思っていることを知り、急いで伝えなきゃと思ったことを書きます。
それは「逆子がひっくり返る方法」。
ぼくは少しは妻の役に立とうとインターネットで検索し「水中でんぐりがえり」というのを見つけました。
ところが10年前、娘のぴなちゃんがわざわざ自分が逆子になることによって、水中でんぐり返しは全く必要ないことを教えてくれました。このページは、逆子を直すためのもっとも詳しいノウハウです。
ぴなちゃんは、10年前のある日の午後6時56分、妻の希望通り自然分娩で生まれ、出生時の体重が3784gの大きな赤ちゃんでした。
すこし長いのですが、前半は、ぴなちゃんになにを教わったかを、お伝えします。
第1章:逆子ちゃんが逆さに気づくまでの長い道のり
(1)赤ちゃんは自分の意思で生まれてくる
僕の妻は、こう考えていました。
自分たちの都合で、勝手に赤ちゃんを取り出すのは、おかしいというのでした。
しかし、自然分娩にこだわりすぎた結果、緊急手術が必要になり、大学病院やMFICU(母体・胎児集中治療施設)、NICU(新生児集中治療施設)などをそなえた病院への搬送が行なわれる話もよく耳にします。
ですから、僕自身、妻が帝王切開を受けることについては、とくに異論はありませんでした。
妻も、逆子体操の姿勢にはかなり参っていたので、あきらめたものと思っていました。
2週間ごとの妊婦検診で、エコー検査のプローブをおなかにあてるたび、赤ちゃんの頭は妻のろっ骨の下のあたりにありました。
ぴなちゃんは、逆子ちゃんのかっこうが、気に入ったようなのでした。
その状態が、2月ほど続いたのです。
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☆蛇足:蛇の絵に足を描いちゃダメなように、余計なことのこと
(2)帝王切開の日程が決まる
1月18日のこと。主治医の先生に、とうとうこう宣言されました。
妻は、それまでには直るだろうとたかをくくっていました。
しかし、続いて助産婦さんから、手術の日程を聞かされ、自信が揺らいだようでした。
廊下に出たとたん、妻の目から、大粒の涙が流れ落ちるのを見ました。
たまたま一緒に来てもらっていた彼女の母と一緒に、そのままトイレにこもってしまい、僕自身が、まったく役に立たない存在であることを痛感しました。
そのとき僕は、彼女の望みをかなえてあげようと思ったのです。
(3)水中でんぐり返り!?
といっても、方法が分かりません。
そこで、「逆子 自然分娩」で調べたら、
「水中でんぐり返り」というのが出てきました。
これだ、と思いました。
そこで、妊婦でも通えるプールを探しました。
僕が職場から戻れるのが早くて夜6時。
なので、7時から9時くらいまで開いている必要があります。
なんと、幸運なことに、車で40分ほどの距離にありました。
温泉に付属するプールです。
(4)水に対するトラウマ
ところが、僕の妻はカナヅチで、プールに顔を付けることもできません。
妻が小学生の頃、家の近くの運河で遊んでいた友だちが2人流されて死んでしまい、昨日のことのように思い出すそうです。
そのことが、ひどいトラウマとして残っていて、水が怖い。
水中眼鏡と鼻栓をつけても、鼻をつけられないことが判明しました。
あと2週間で、「水中でんぐり返し」ができるかどうか。
まずは水に慣れるところからスタートしました。
(5)プールは臨月の40週でも大丈夫らしい
ところで話が前後しますが、うちの助産師さんは、40週になってもまだ陣痛も破水もない妻に、こう言いました。
そこで、プールのことを聞いてみました。とたんに妻にはにらまれましたが。
と教えてくれました。
破水した場合はすぐに入院しなくてはならず、そのときはもう逆子が直っていたので、実際には行きませんでした。
要するに、40週でも充分に逆子を直すチャンスはあるということです。
個人差はあると思うので、助産師さんとよく相談してみてください。
第2章:カナヅチ妊婦はプールでどう過ごしたか
(1)水中でんぐり返しのかわりに
僕は最後まで「水中でんぐり返し」にこだわっていました。必ず、できるようになる。
ところが、そんな思いを上回って、妻のトラウマは強烈でした。
水中眼鏡と鼻栓をつけても、水面に顔をつけられない不思議。
大丈夫かなと思って、水をかけたとたん、思いがけず激怒しました(>_<) 「殺すつもり?」
なんでお風呂のシャワーは大丈夫で、水中眼鏡に水を手でかけるのは×なのか?
人間心理のナゾです。
とにかく、彼女が一番気に入っていたものから画像を載せました。
あこがれていた「うつ伏せ」だそうです。
それって、普通の銭湯でも出切るんじゃないかと、思いませんか?
ちなみに腕につけているのは、子ども用の浮き輪で、大型スーパーのスポーツ用品コーナーで買いました。
体重制限のようなことが書かれていますが、(妊娠のせいで)70kg近い妻でも、浮きます。
(2)水中よこまわり
僕の頭の中は、水中でんぐり返しという言葉が渦巻いていました。一回でも回ることができれば、直るかもしれない。
顔を水につけられなくてもできることは・・・考え続けて、難易度の低いのを思いつきました。
「水中よこまわり」
妻の顔色をみながら、歩く速度でまわしてあげました。
妻の方はただ浮いているだけなので、おなかの中がもぞもぞするのが分かるそうです。
これは効いたかもしれないと、妻は言います。
しかし、この方法でも、まだ直っていませんでした。
(3)水中トリプルアクセル
水面に顔をつけるのが怖い妻も、慣れてくると自分で勝手に回っていました。
ちょうどバンクーバーオリンピックの時期だったので「トリプルアクセル」と書いてみましたが、ホントは何十回もひたすら回っていただけです。
逆子ちゃんが動いたとしても、身体の縦軸を中心に回るので、
へその緒が絡まないか心配で、ずっと見守っていました。
しかし、こうやって回っていると、妻がとても穏やかな顔になるので、
危険はなさそうだと思いました。
と、助産師さんから聞いていました。
「ああ、リラックスできるようになったんだ」
それだけでも、ステップアップかなと思いました。
コロナ対策「おうちのお風呂の『子宮物理学』」につづきます。