まずはじめに言っておきますが、エライ人の机を本当に叩いちゃ、ダメですよ。「暴力事故」として、責任を問われて処分される可能性があります。ぼくは、たぶん大丈夫でしたが、まわりの人に心配をかけてしまいました。
発端になった企画
卒業式の最後を締めくくる校歌斉唱のときに「生徒のコラージュ映像を映し出すアイデア」を出した先生に、朝、なにか発言するか聞いてみました。
その先生は、肺を患っています。
ぼくはすっきり解決してあげたいと思いました。
朝の打ち合わせが始まり、その最後に、ぼくは2点、発言させてもらいました。
1.学年会のときに授業が入って不在の先生がいたのに気付かなかったことへの謝罪。
2.「反対意見には代案が必要」という、この学校のしきたりにのっとり、代案を求めた。
すると、教頭は司会者として代案の発言を求める代わりに、こう言いました。
3学年の中で話し合い、卒業式を寂しいものにしないために、これ以上のアイデアがないということでのなんとか説得して提出した企画でした。
学年会のときに不在だった先生がギモンの発言をしたら、ふりだしにもどったばかりか、話し合う場もないまま、校長決済にまわされた。
以前この教頭は、家庭内DVからようやく逃れられそうな生徒を、なんと家に帰そうとしていました。ぼくはなんとか話し合いに紛れ込むことができ、この先生の意向をひっくり返したことがあります。
それで一昨日のから無い智恵をしぼっていて、これしか考えつきませんでした。
教頭の机を、ドンすることです。
まるで、管理職のほうで、ぼくをさそっているみたいでした。ぼくはその要望に答えるように、素直にドンしました。
「手続きが、おかしくないですか?」
校長が、あとで話がしたいというので、打ち合わせ後に話しかけると、1時間目に校長室に来るように言われました。
「はい。分かりました。」
そう答えたあとで、気づきました。やばい。授業がある。ぼくは物理教室の黒板に、でかく、こう書きました。
教頭先生の机をドンして抗議したら、校長室に呼ばれました。自習していてください。
話し合いと言うか、一方的なお説教が、一時間いっぱいかかりました。
後半の30分は、机をドンしたことの批判でした。
「机ドン」の感情と「突然の決済」の感情
ぼくが教頭に抗議したことと、机をドンしたことは、切り離して考えるとのことでした。
それは、抗議ではなく暴力事故だからです。
ぼくは、「議論の余地を残さずに、決済してしまうのは、それこそ感情的な暴力なのではないですか?」と食い下がります。
提案した先生は、この人ほどオンライン授業を活用した人はなく、この人ほどオンラインイベントを成功させた人はいません。
文部科学省に推薦できるとしたら、この人しかいない。
ただ少し発言が鼻にかかったところがあるので、管理職には嫌われている。
でも、指導主事さんたちには、一目置かれています。
「男は、生意気ぐらいが、ちょうど良い」って歌もありますよね。
この先生は女性ですが。
ぼくはこの一部始終を、スマホで録音していたので、問題が起きたら証拠としてつかわせてもらおうと思っていました。
結局、両方が引かないので、話し合いが成立しません。
ぼくは「悪役」のままで充分です
校長は、ぼくが校長の話を理解したかどうかにこだわります。
しかし、校長が言っていることは、自分たちの意見が正しいことを認めろということなので、どうしたって食い違います。
そもそも、双方が「正しい」と思っていることを主張しているだけなので、日本と韓国の関係と同じで、理解しあうことは、たぶんないです。
提案者の健康問題にもかぶさってきました。
管理職としては、提案した先生が肺を患っているので、これ以上の負担をかけたくないそうです。
これは「日本の働き方改革」の特徴ですよね。
時間を短縮できれば、負担が軽くなると思っている。
しかし、肺に負担をかけるのは、心労の方ですよ。校長先生。
ぼくは、管理職の側にイメージをわかってもらったので、「悪役」のままで充分です。
ぼくはとにかく、再提案の権利を勝ち取りました。
生徒の気持ち
ぼくは黒板に「自習の連絡」を書いたとき、心の中で、期待していたことがあります。
ぼくが校長室に呼ばれた理由を知っている生徒会の子たちもいるので、校長室になだれ込んでくると、学園ドラマっぽくなり、解決が早いと思ったのです。
しかし、応援は来ませんでした。分かるよ。受験生だもんね。
ところが、もっと深い理由があったのです。
もっと深い理由
ぼくが職員室に拉致されたウワサはあっという間に広がり、2時間目は始まりから質問攻めでした。
それで、生徒に聞いてみました。
すると、何人かの生徒が言いました。
「いやだ。きっと、誰も撮らないよ。」
おお。これが真実。
これでは、誰も助けに来てくれないはずだね。
計画は進む
放課後、提案者の若い先生が、生徒会の有志を集めたので、ぼくもそこに呼ばれました。
生徒会の子たちは、乗り気です。
だれだって、人生は波乱万丈なんです。
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