えほん・どうわ・たんか

のんのちゃんのコップ(中編)…みなさんの小さな頃の体験の記憶は、本当に自分で体験した証拠、ありますか?(ちょっとホラーな話)

ぴのすけには、生まれる前の「記憶」があります。それはおかしい。そう思われる人のために、自分が脳波に異常のある、変な人だということも、白状しておきます。小学校6年生のとき、家から50キロ離れた大学病院で「きみの脳みそにはバグがある」みたいなことを言われました。20歳で交通事故にあい、精密検査を受けたとき、「abnormalアブノーマル」の診断をもらいました。
でもぼくは生徒に、こう言います。

ぴのすけ
ぴのすけ
「異常」なんて、病院に行く人の平均から外れているだけで、病院に行かない人をみんな平均したら、ぜったいおさまってるから。

でもきみは病院に行った人だよね。そんな独り言をいっても始まらないので、ぼくの「ありえない記憶」のお話をします。みなさんに、ご意見をお聞きしたいです。

バグ:bugは虫のこと。プログラムやアプリがおかしな動きをする原因は、そのプログラムの中に虫がいるからなんです。だから、その虫を退治すると、ちゃんと動くようになります。ただし、虫は最初からいるもので、わいて出てくるものではないので「このプログラム、だんだんバグってきた!」という言い方は、やめたほうが無難です。
(ぴのすけは学生時代IBM飯倉サービスセンターでごはんを食べるプログラマーでした)

ここからのお話は、逆立ちして読んでも宗教のお話ですが、前回もお伝えしましたとおり、ぼくはどの宗教からも、遠く距離をおいています。

のんのちゃんのコップのお話のつづき

ぼくは5歳くらいから小5の頃まで、家の神棚の「水玉みずたま」と呼ばれる容器の水を、毎朝交換していました。その容器のことをほくの家族では「のんのちゃんのコップ」と呼んでいました。ぴなちゃんから、質問がきました。

ぴな
ぴな
のんのちゃんて、だれ?

「のんのちゃんのコップ」の説明はしたものの、肝心の「のんのちゃん」の解説をしていませんでした。
のんのちゃん:のんのさま、ののさま。本当は「観音かんのん」さまのことらしいですが、神さまとか仏さまとか、お祈りする相手のことを、みんなそう呼ぶそうです。

天理教の「のんのちゃん」は、わりと世界共通だったせつ

地方の新体操クラブは、練習場がないために苦労しています。ここを使わせてもらえたらいいですね!

結界けっかい:左から2番目の子どもがつかんでいる棒のような、境目を決める目印のこと。一般の人が入れない場所を仕切るのに使われる。「結界にぶらさがる」はぎりぎりセーフでした。

「のんのさん」は神さまだけじゃない

写真の小さい子どもたちの奥に見える、三つに区切られた祭壇の中には、次の「のんのさん」がいらっしゃいます。

左 「御霊みたまさま」⇒くなった人をまつる
中 「おや神さま」⇒ヤハウェ、アッラーフとおなじ神さま
右 「おやさま(中山みき)」⇒教祖きょうそをまつる

「おや神さま」はひらたくいうと「天之御中主神あめのみなかぬしのみこと」のことです。
(ぼくは交通事故のリハビリを兼ねて「修養科しゅうようか(3ヶ月研修)」に行きました。なんと「中島みゆき」さんと同じしょ(研修施設)。しかし3期下にくることになり、ぼくが奈良を出た次の日にみゆきさんが入るという、くやしさで3か月分ぜんぶ記憶からぬけちゃいました)

「天之御中主神」とは、天空てんくう中心点ちゅうしんてんにあって、目も耳も口もなく、見て聞いて話ができる神さま」のことです。

「天空の中心点をあらわす神さま」の名前

日本の神話⇒「天之御中主神あめのみなかぬしのみこと
キリスト教⇒「ヤハウェ」
イスラム教⇒「アッラーフ」

「みかん」のことを「オレンジ」「マンダリン」というのと同じです。

キリスト教やイスラム教の人たちが、神さまのことを「のんのさん」と呼ぶようになれば、きっと世界は平和になります。

ぴな
ぴな
それは、ないと思うよ。
ところで、新体操の練習、こういうところでやったら良いのに。
ぴのすけ
ぴのすけ
その話に行っちゃうのね。
ぴなちゃんが前にいた新体操クラブは、キリスト教の高校とか、仏教の幼稚園の体育館でやってたんだよね。
ぴな
ぴな
マットが持ち歩けないから、硬いの。ここなら、天井も高いし柔らかそう。
ぴのすけ
ぴのすけ
新体操は、柔道みたいにどたばたやるわけじゃないから、使わせてくれるかもしれないね。

のんのさんのコップの話のつづき

朝起きて、顔を洗ったら、まず最初にやるのが、のんのちゃんのお水を取り替えることでした。三つのコップ(水玉)をお盆にのせて、台所に水を換えに行きます。

まいにちまいにち、朝起きて顔を洗ったら、のんのちゃんのお水をとりかえます。

台所には、水がめと、ひしゃくがありました。

ぼくは、ひしゃくをブルース・リーのヌンチャクみたいにわきの下にはさみ、水を汲みました。そうしないと、まだ手の力がない子どもなので、ひしゃくがくるんと回ってしまうんです。(絵の中ではわきが開いちゃいました)これは、実体験がないと、分からないことですよね。

ぼくは、ブルース・リーのように、ひしゃくをつかいこなした

最初に、左手でもったコップ全体にばしゃっとかけて、かわいた手ぬぐいの上に置いていきます。
冬の朝は、水がめが凍っていることがあり、「あちょー」って叫ばずにはいられませんでした。

ぴな
ぴな
冷たかったんでしょ?
ぴのすけ
ぴのすけ
冷たさを、気合で乗り越えるの。

もう一度ひしゃくに水を汲んで、3つのコップに半分ちょっと入れます。
最後に、ひしゃくに残った水を飲んで、口をつけたところを手で拭いて、ひしゃく掛けにかけます。

口の中に、ひしゃくの素材のアルマイトの、電気みたいな味が残ります。

「岡田さんのおばさん」の亡くなる日

うちの月次祭によく来ていた「岡田さんのおばさん」が亡くなったのは、ぼくが小学校の3年生か4年生のときでした。
姉たちが、母の「今日はカラス鳴きが悪い」と言うのを聞いた、次の日のことです。
朝の5時、ぼくは神棚のある部屋で、とつぜん叫びました。

のんのちゃんコップが、倒れちゃった。
それをみんなは、寝言というので、一応ねごとということにしておきます。

それを聞いた母は時計を見ました。朝の5時。ぼくがこんなに早くに起きて、水玉をひっくり返してしまったのだと思い、飛んできたときには、ぼくは爆睡中で、神棚の水玉も倒れておらず、母は朝ごはんの仕度をつづけました。
ただ、いやな予感は続いていたそうです。
6時前、工場に戻ろうとしたところ、病院にいた岡田さんの息子さんから電話がかかりました。朝5時ちょうどに亡くなったという知らせでした。

脱線しますが、姉から聞いた話です。

よく晴れた夏休み、プールに行こうとする時、母はこんなことを言ったそうです。

はは
はは
今日は2時には帰りなさいね。

2時って、中途半端。それでも、約束を守って帰ったとたん、あたりが暗くなり、どしゃぶりになった。
今なら天気予報で分かりますが、これは50年近く前のこと。もしも天気予報のおばさんになっていたら、人気だったかもしれません。
そんなわけで、姉たちは母の言うことを、絶大ぜつだいに信じていました。

脱線おわり。

ぼくはよく、その日の朝のことを、みんなに聞かれました。

ぴのみ
ぴのみ
どんな夢、みたの?
ぴのすけ
ぴのすけ
何のこと?
ぴの姉
ぴの姉
あんたが「のんのちゃんのコップがたおれちゃった!」って大声でねごとを言ったときだよ。
ぴのすけ
ぴのすけ
そんなん、憶えてるわけないじゃん。

本当は、一瞬だけ起きた記憶があるので、夢ではないような気がするんです。
それでは、一瞬起きたときに、何をみたのかが問題ですよね。それを書く前に、なんでぼくが、「のんのちゃんのコップが倒れた」なんて叫んで、いかにも倒れたことを受け入れたように思えちゃうので、スジをとおしておきます。

「のんのちゃんのコップ」はぜったいたおれないせつ

だから、ねごとだってば。
ぴな
ぴな
この4コマ、必要だったんですか?
ぴのすけ
ぴのすけ
要らなかったと思います。
ぴな
ぴな
それで、何があったの?
ぴのすけ
ぴのすけ
僕がそのあと爆睡ばくすいしていたっていうけど、起きてたのに一瞬で爆睡できるはずもなく、こんな理由で気絶したんだと思うんです。

「岡田さんのおばさん」は楽しかった「直会なおらい」の場所に、あいさつに来てくれた

ぴのすけ
ぴのすけ
ちょこっとせつない、お別れのお話です。
おばちゃんは、とっておきのおもしろいものを、見せに来てくれた。
ぴな
ぴな
おばちゃん、妖怪ぼっちのウィスパーみたいに足がないね。
ぴのすけ
ぴのすけ
妖怪ウォッチね。
ぴな
ぴな
そうそう、ウォッチウォッチ
ぴのすけ
ぴのすけ
おばちゃんはきっと、帰るときにわざと、すっと壁をすり抜けて見せて、それを見たお父さんが気絶したんだよ。
ぴな
ぴな
うう、怖いね。
ぴのすけ
ぴのすけ
理由が分かると、怖くないよ。人は死んじゃうと、いちばん楽しかったところに、一瞬で飛んで行けるんだ。岡田さんのおばちゃんがいちばん楽しかったのは、みんなでご飯を食べた「直会なおらい」の席だったんだ。
ぴな
ぴな
ふーん、自殺をした人も一瞬で楽しかったところに行けちゃうの?
ぴのすけ
ぴのすけ
すごいことを聞くね。岡田さんのおばちゃんは、病気で亡くなった人だからね。心は元気なの。自殺をした人は、心が病んでいて、しかも神さまとの約束をやぶったから一瞬いっしゅんで、地獄行じごくゆだよ。
ぴな
ぴな
こわいね。どんな約束?
神さまとの約束

ぼくは、この家のみんなといっしょに、幸せになる修行しゅぎょうをしてきます。

ぴな
ぴな
修行に来たのか。
ぴのすけ
ぴのすけ
神さまがくれた修行を途中で投げ出すと、次は地獄じごくで修行。
ぴな
ぴな
そう簡単に言うけどさ、証拠しょうこはないよね?
ぴのすけ
ぴのすけ
「生まれ変わり」の証拠は世界中でみつかっているらしいけど、ここからは、お父さんのお話をするよ。
ぴな
ぴな
どんな?
ぴのすけ
ぴのすけ
お父さんが「のんのちゃんのコップ」に水を入れていた、水がめなんだけどさ。
ぼくは、ブルース・リーのように、ひしゃくをつかいこなした、はずでした。
ぴな
ぴな
うんうん。
ぴのすけ
ぴのすけ
じつは、お父さんが生まれる前に、撤去てっきょされていたんだ。
いちばん上の兄と2番目の姉以外に、この水がめを使ったきょうだいはいません。

ぴのすけは、この水がめのことを、憶えているはずがなかった

ぴな
ぴな
何言ってんの?つまり、お父さんは、この水がめを使ったこと、なかったの?

この先が長いので、ここでいったん切ります。

つぎは、ホントのホラーかもしれません。

ぴな
ぴな
メッセージはこちらにおねがいします。





ABOUT ME
pinosuke
ぴのすけ@30年間、地方で物理の教師をやったあと起業してしくじり、いまは会社員をしながら再起動中です。 学校では、うつや不安症やアレルギーといった、心理面、健康面でのサポートが得意で、無理だと思われていた子も、不思議と学校に戻ってきました。 大きなしくじりを体験し、ビジネス面でも意外に「ついてる」ことが発覚。 これからはビジネスに重心を置いて、サポートの力を試していきます。