えほん・どうわ・たんか

中学生編・ENEOS童話賞(エネオスどうわしょう)の対策

5月がつすえにしめきりのENEOS童話賞エネオスどうわしょうに応募おうぼしたい子こどものために、これまでの受賞作じゅしょうさくをつよいこ方式ほうしきで解説かいせつしていきます。
今回こんかいは、中学生編ちゅうがくせいへんですよ。
高校生版こうこうせいばんを見みたい人ひとはここをタッチ

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詳くわしい解説かいせつを見みたい人ひとはここをタッチ。べつのページでひらきます。

ENEOS童話賞エネオスどうわしょう、受賞作品じゅしょうさくひんのページをさんこうにしてください。
童話どうわの花束はなたばの受賞作品じゅしょうさくひんをべつのページでひらきます

ふたたび「童話どうわのかきかた」つよいこ方式ほうしき

つよいどうわのようそ
ぴな
ぴな
1.構成力こうせいりょく、2.情報量じょうほうりょう、3.文法ぶんぽう、4.読後感どくごかん。この4つがポイントだったわね!
ピノすけ
ピノすけ
1.構成力こうせいりょくと、3.文法ぶんぽうのちがいは、わかるかな?

1.構成力こうせいりょく ⇒ お話全体はなしぜんたいの組くみ立たて方かた
3. 文 法 ぶんぽう ⇒ 細こまかな言葉ことばの組くみ立たて方かた

ぴな
ぴな
うーん。例題れいだいをだしてくだされ。
ピノすけ
ピノすけ
はい。それでは、中学生ちゅうがくせいの作品さくひんにはいるよ!

第50回 最優秀賞『雨やどりの停留所』青木志央理さん

第50回(2019年) JXTG童話賞 【中学生の部 最優秀賞】

文字もじの数かずは、1258文字もじ÷わる最大さいだい2000文字もじ=63パーセント。

ぴな
ぴな
原稿用紙げんこうようし5枚まいに、だいたい1行ぎょうとばしで書けるるくらいの長ながさです。

1.構成力(こうせいりょく)

ピノすけ
ピノすけ
最優秀さいゆうしゅうなので、
たぶん『A(すごいね!)』です。

つよいこ方式ほうしきでは、『はじめ⇒なか⇒おわり』の三段階さんだんかいのそれぞれの役割やくわりを、学校がっこうの生活せいかつに例たとええて考かんがえていきます。

童話どうわの3段構成だんこうせい

●はじめ(入学にゅうがく)・・・おはなしに入はいるための『入学式にゅうがくしき』です。まじめなのでも、はっちゃけたのでもいいです。
●なか(生活せいかつ)・・・・おはなしに入はいったあとの、生活せいかつです。ルールがあったり、やぶる人ひとがいたりします。
●おわり(卒業そつぎょう)・・・おはなしをしめくくる『卒業式そつぎょうしき』です。思おもい出でにのこるイベントにしたいですね。

はじめ・にゅうがく
●雨宿あまやどりの停留所ていりゅうじょで、アマガエルに会あう。
なか・せいかつ
●アマガエルの冒険ぼうけんの話はなしを聞きく。
●野球選手やきゅうせんしゅになりたい夢ゆめを話はなしす。
●カエルに「過去かこにカエルことはできないんだよ」と教おしえられる。
むすび・そつぎょう
●なんだかちがう意味いみで、元気げんきが出でる。
●野球選手やきゅうせんしゅになる想おもいを、強つよくする。
ぴな
ぴな
さわやかなかんじの、お話はなしですよ!

2.情報量(じょうほうりょう)

ピノすけ
ピノすけ
これも『A(すごいね!)』です。

●バス停ていで雨宿あまやどりをする時ときの気分きぶん ⇒ わくわくB
●雨蛙あまがえるが雨宿あまやどりをしている ⇒ わくわくB
●雨蛙あまがえるがしゃべる ⇒ わくわくB
●オタマジャクシが意思いしをつらぬいた話はなし ⇒ わくわくB
●カエルから見みた雨あめのふる景色けしき ⇒ わくわくB
●野球選手やきゅうせんしゅになる夢ゆめ ⇒ わくわくB
●過去かこにかえることはできない ⇒ わくわくB
●だじゃれに気きづかない雨蛙あまがえるの反応はんのう ⇒ わくわくB
●雨あめがあがった景色けしき ⇒ わくわくB
●野球選手やきゅうせんしゅへの想おもい ⇒ わくわくB

ぴな
ぴな
わくわくBが10コもあるぅ!

2.5にぃてんご.心こころのふれあい度ど

ピノすけ
ピノすけ
作品さくひんの中なかの『会話かいわ』が何行なんぎょうあるか数かぞえてみました。
ぴな
ぴな
『私わたし』のセリフが15行ぎょう、アマガエルが22行ぎょう、それだけです。
心のふれあい度こころのふれあいど
ぴな
ぴな
アマガエルが『私わたし』よりも、『1:1いったいいち』をすこしこえるくらいで話はなしています。
ピノすけ
ピノすけ
とりあえずこのくらいの割合わりあいのときも『A(すごいね!)』としておきますね。
ぴな
ぴな
半々はんはんの『1:1いったいいち』くらいでも大丈夫だいじょうぶでしょうか?
ピノすけ
ピノすけ
大丈夫だいじょうぶというか、むしろそれは『完璧かんぺき』だとおもいます。

3.文法(ぶんぽう)

ピノすけ
ピノすけ
『A(すごいね!)』です。
飾かざり過すぎることなく、大人おとなっぽいすっきりした文章ぶんしょうがつづきます。

バス停ていで雨あまやどりをしていると、自分じぶんだけ別世界べっせかいにいるような不思議ふしぎな気分きぶんにおそわれる。だから私わたしは、傘かさを持もっていても雨あまやどりをしてしまう。
部活ぶかつからの帰かえり道みち、突然とつぜんの夕立ゆうだちに、慌あわてて私わたしは近ちかくの停留所ていりゅうじょに入はいった。木製もくせいのベンチに腰こしかけると、一匹いっぴきの雨蛙あまがえると目めが合あった。じっと動うごかず、ただギョロリとした目玉めだまだけがこちらを見みつめている。その姿すがたが雨あまやどりをしているように見みえたものだから、私わたしはくすくす笑わらった。

まだ中学生ちゅうがくせいなので、勉強べんきょうと部活ぶかつと制作活動せいさくかつどうとを両立りょうりつさせるのは、たいへんだったでしょうね。中なかごろの文章ぶんしょうで、苦労くろうしただろうなと感かんじた部分ぶぶんがあります。実験的じっけんてきになるのを恐おそれない姿勢しせいが、素晴すばらしいです。

「辺あたり一面真いちめんまっ白しろだった。身体からだの周まわりにあるのがあたりまえだった水みずが、銀色ぎんいろに輝かがやいて空そらから降ふり注そそいでくることにただただ感動かんどうして、涙なみだが出でて。涙なみだと雨あめの区別くべつがつかなくなったとき、この停留所ていりゅうじょを見みつけたのさ。」

自分じぶんの想おもいを、どうしたらうまく伝つたえられるか、なんども書かきなおしたでしょうね。

ピノすけ
ピノすけ
効果的こうかてきに伝つたえるための、決きまったしかけがあるよ。
焦点しょうてんをしぼるしくみ(漸層法ぜんそうほう)

1点にしぼってフォーカスして、しぼってフォーカスして、しぼってフォーカスして、最後さいごに示しめす。

これにそって、こんなふうに書かきたかったのかな?という表現ひょうげんを、おなじ文字数もじすうで書かいてみます。

「何なにかが銀色ぎんいろに輝かがやきながら空そらから降ふり注そそぎ、辺あたり一面いちめんを真まっ白しろにしている。それが何なんなのか、この停留所ていりゅうじょにたどり着ついてやっと気きづいた。それは、僕ぼくがどうしても見みたくて地上ちじょうへと急いそいだ理由りゆう。それは雨あめだったんだ。」

ぴな
ぴな
そっか。カエルさんががんばったのは『雨あめ』が見みたかったからだもんね!
ピノすけ
ピノすけ
童話どうわって、言葉ことばをまなぶ旅たびなんだ。
ぴな
ぴな
カッケーな。
ピノすけ
ピノすけ
ちょっと、わざとらしいかな?がはは!

4.読後感(どくごかん)

ピノすけ
ピノすけ
たぶん『A(すごいね!)』かな?

空そらを見上みあげると、もう雨あめはすっかりやみ、青空あおぞらには大おおきな虹にじがかかっていた。
「ありがとう、雨蛙あまがえるさん。私わたし、がんばってみようかな。」
ベンチから立たち上あがると、立たてかけていた傘かさを肩かたにかまえて、目めをつぶった。そして、ホームランを打うつ未来みらいの自分みらいの姿すがたを思おもい浮うかべながら、大おおきくまっすぐ、スイングした。

ぴな
ぴな
さわやかに、まとめました。
ピノすけ
ピノすけ
わかるね!

ちなみに、リトルリーグなどで野球やきゅうを続つづけていた女子じょしが、中学ちゅうがくや高校こうこうで野球やきゅうをつづけたい場合ばあい、都道府県とどうふけんの軟式野球連盟なんしきやきゅうれんめいに加盟かめいしているチームに入はいるのが、一ひとつの選択せんたくです。

第50回 優秀賞『空桜』松井絢子さん

第50回(2019年) JXTG童話賞 【中学生の部 優秀賞】

文字数もじすうは1346文字もじ÷わる最大さいだい2000文字もじ=0.673(67パーセント)

ぴな
ぴな
セリフが多いので、原稿用紙げんこうようしになおすと、5枚目まいめの半分はんぶんまでうまりました。

1.構成力(こうせいりょく)

ピノすけ
ピノすけ
『B(ふつうだね)』です。

出でだしのところで、おそらく4年前ねんまえと思おもわれる回想かいそうと、今日進行きょうしんこうしていることが、入いり組くんで、あいまいな構成こうせいになっています。せっかく優秀賞ゆうしゅうしょうまで進すすんだ作品さくひんなので、こういうところを直なおすと『A(すごいね!)』に変かわります。

・・・・・・4年前よねんまえ(ここから3行ぎょうだけ)

「空桜そらざくらって知しってる?」
「そら、ざくら?」
おばあちゃんが私わたしに語かたりかけた。

・・・・・・今日きょう(ここから3行ぎょうだけ)

――今年ことしもこの季節きせつがやってきた。
窓まどに目めを向むければ満開まんかいの桜さくら。薄うすピンク。
そういえば、あの時ときも満開まんかいだった。

・・・・・・四年前よねんまえ(ここから12行ぎょうだけ)

(中略ちゅうりょく・・・ながいのでちょこっととばします)
「そうねえ。来年見らいねんみに行いきましょう。」
「ほんと?やくそくだよっ。」
私わたしが差さし出だした小指こゆびにおばあちゃんが小指こゆびをからめた。
――約束やくそくするわ、とほほ笑えんで。

・・・・・・今日きょう(このあと最後さいごまで)

約束やくそく、守まもれなかったじゃん。
去年きょねんも、一昨年おととしも、その前まえも。
机つくえに、桜さくらの花はなびらが一枚飛いちまいとんできた。
――今日きょうなら、見みられる……?
思おもわず椅子いすから立たち上あがった。

何度なんどか読よみかえしてみて、そうなっていることが分わかりました。しかし、ふつうは一度いちどしか読よまれないので、作者さくしゃの想おもいはなかなか人ひとに伝つたわりません。
4の読後感どくごかんのところで回想かいそうの部分ぶぶんと、これから進行しんこうする部分ぶぶんをきっぱり分わけてみるので、参考さんこうにしてください。

2.情報量(じょうほうりょう)

ピノすけ
ピノすけ
『A(すごいね!)』です。

空桜そらざくらという現象げんしょうについて⇒わくわくB
(ふつうは桜さくらふぶきということばであらわしますね)
おばあちゃんとの約束やくそく⇒わくわくB
花はなびらを見みて、出発しゅっぱつをきめる⇒わくわくB
電車でんしゃに一人ひとりで乗のる⇒わくわくB
約束やくそくを守まもれないおばあちゃんの心配しんぱい⇒どきどきB
3回失敗かいしっぱいしていること⇒わくわくB
4度目どめの挑戦ちょうせん⇒わくわくB
ほぼ無風むふうの、静しずかな公園こうえん⇒わくわくB
突然とつぜんの強つよい春風はるかぜ⇒わくわくB
元気げんきそうなおばあちゃんのすがた⇒わくわくB

ぴな
ぴな
これも、わくわくBが10コだね。

2.5にぃてんご.心こころのふれあい度ど

ピノすけ
ピノすけ
「ひとりごと」は数かぞえないつもりでしたが、そこにいないけれど、相手あいてに向むけた言葉ことばは、含ふくめめてあります。
ぴな
ぴな
「私わたし」のセリフが7行ぎょう、おばあちゃんも7行ぎょう、おかあさん1行ぎょう、でんしゃのアナウンス1行ぎょうです
心のふれあい度こころのふれあいど
ぴな
ぴな
おばあちゃんと「私わたしでバッチリ『1:1いったいいち』で話はなしていることになります。
ピノすけ
ピノすけ
なんだかいい感じですね。この割合わりあいが『A(すごいね!)』なのかもしれません。
ぴな
ぴな
だんだん分わかってきた感かんじがしますね!

3.文法(ぶんぽう)

ピノすけ
ピノすけ
たぶん『B(ふつうだね)』です。

主人公しゅじんこうが、まちにまった空桜そらざくらにであう大事だいじな瞬間しゅんかんです。中学生ちゅうがくせいらしい『実験的じっけんてき』な表現ひょうげんで、なんとか感動かんどうを伝つたえようと、がんばりました。

「ひゃあっ……。」
強つよい春風はるかぜに、私わたしは目めをおおった。
花はなびらが足あしにからみつく。
……おかしい。静しずかすぎる。さっきの静しずけさとは違ちがう。そう、まるで。
恐おそる恐おそる目めを開あけたそこは。
桜さくらだった。
薄うすピンクの空気くうきが私わたしを包つつんでいた。
空そらの果はてまで永遠えいえんに白しろく霞かすみがかかっている。
「そら、ざくら……。」
綺麗きれい。ただひたすらに美うつくしい。
動うごかす手てに、桜さくらがとけた空気くうきがからみつく。
薄うすピンク色いろのお昼寝ひるねしたくなるような陽ひだまりの中なか、私わたしの心こころに桜さくらがとけていった。

ぴな
ぴな
これも、さっきの「しぼってしぼって」になってるニャ!
ピノすけ
ピノすけ
もう少し『しぼる』と、もっとよかった。
焦点しょうてんをしぼるしくみ(漸層法ぜんそうほう)

1点にしぼってフォーカスして、しぼってフォーカスして、しぼってフォーカスして、最後さいごに示しめす。

ぴな
ぴな
やってみてください。

「ひゃあっ……。」
強つよい春風はるかぜに、私わたしは目めをおおった。
花はなびらが足あしにからみつく。
風かぜは一瞬いっしゅんで、止やんだ。その一瞬いっしゅんの風かぜは、なにかを変かえた予感よかんがした。
恐おそる恐おそる目めを開あけ、空そらを見上みあげた。

何なんだろう。

私わたしの手元てもとから、空そらの向むこうまで、はてしなく、包つつむものがある。
薄うすいピンク色いろの霞かすみに、私わたしは目めをとめた。
「そら、ざくら……。」

はてしなく、美うつくしかった。
動うごかした手てに、桜さくらがとけた空気くうきがからみつく。
薄うすピンク色いろのお昼寝ひるねしたくなるような陽ひだまりの中なか、私わたしの心こころに桜さくらがとけていった。

ぴな
ぴな
「さくら」の登場とうじょうするところが、ちょっとだけうしろにさがりました。
ピノすけ
ピノすけ
薄うすいピンク色いろの霞かすみのひとつひとつが、桜さくらの花はなびらだったことに気付きづくには、時間じかんがかかったと思おもうんです。
ぴな
ぴな
しつもん。「はてしなく」とかどんなふうに選えらんで良いいのか、分わからないんですけど?
ピノすけ
ピノすけ
 下したのほうに『想おもいを強つよめることば』の 例れいをあげたので参考さんこうにしてください。
ぴな
ぴな
同おなじ言葉ことばが2回出かいでてくるのも、気きになりまする。
ピノすけ
ピノすけ
これも、しぼってしぼっての『漸層法ぜんそうほう』 のつづきなんだ。声こえに出だして読よんでみてください。
ぴな
ぴな
ありかな?とも、おもうね。

作者さくしゃが表現ひょうげんしたかったのは、題名だいめいどおりたった一ひとつ、空そらいちめんをおおっている、さくらの絵画的かいがてきな美うつくしさです。

ピノすけ
ピノすけ
その一点いってんにフォーカスすると、表現ひょうげんすることが楽たのしくなりますよ。

想おもいの『強つよさ、ヤバさ』をあらわす言葉ことば

只管ひたすらに⇒そのことだけを続つづける。主おもに行動こうどう、状態じょうたい。
「その桜さくらは、ただひたすら咲さき続つづけた。」「空そらは、ひたすら青あおかった」
直向ひたむきに⇒そのことだけを続つづける。主おもに行動こうどう、気持きもち。
「雨あめにも負まけず、桜さくらはひたむきに咲さき続つづけた。」
一筋ひとすじに⇒そのことだけを続つづける。主おもに行動こうどう。
「その桜さくらは、子こどもたちのためだけに、ひとすじに咲さきつづけた。」
一途いちずに⇒そのことだけを続つづける。主おもに純粋じゅんすいな気持きもち。アンバランスな片寄かたよった意味いみも含ふくんでいます。
「人々ひとびとが訪おとずれることはなかったが、桜さくらは一途いちずに咲さきつづけた。」
果はてし無ない⇒どこまでも広ひろい、おもに空間くうかんの広ひろさをあらわす
「桜さくらの花はなびらが、はてしなく舞まい上あがっていた。」
計はかり知しれない⇒広ひろさ、深ふかさ、時間じかん、量りょう、測はかれるものすべて。
「その桜さくらが、どれほどの人々ひとびとを幸しあわせにしたか、計はかり知しれない」
限かぎりない・際限さいげんない⇒きりがないこと。
半端はんぱない・半端はんぱじゃない⇒普通ふつうでない、とんでもないこと
「大迫おおさこ、半端はんぱない!」
しこたま⇒たくさんのものを取とり込こむこと
「さくらんぼをしこたま食たべた。」
ヤバい⇒危険きけんな状態じょうたいになりそうなこと。
「このさくらんぼは、おいしすぎてヤバい。」

いまの天皇陛下てんのうへいかがまだ10代だいのころ巨人・阪神戦きょじんはんしんせんをご覧らんになり、ご贔屓ひいきのチームが負まけそうになったとき思おもわず「ヤバい」とおっしゃられたそうです。かわいらしいですね。(故・古今亭志ん朝こ ここんていしんちょうさんの落語らくごの枕まくらのところで出でてきます)

4.読後感(どくごかん)

ピノすけ
ピノすけ
これは『A(すごいね!)』をつけたいです。

あいまいさを極きわめると、ふしぎな作品さくひん、ミステリアスな作品さくひんになります。
その理由りゆうは単純たんじゅんに、意味いみが分わかりにくいからです。

その反対はんたいに、具体的ぐたいてきに詳くわしくわかりやすく書かいても、ふしぎな作品さくひんはできます。それは、ストーリーそのものが、ミステリアスだからです。

この作品さくひんはストーリー自体じたいが、ふしぎさをもっています。だから、もっと具体的ぐたいてきに書かいても大丈夫だいじょうぶ。ふしぎさを失うしないません。

最初さいしょの部分ぶぶんを具体的ぐたいてきにしてみました。たぶん、はっきり伝つたわります。

・・・・・・今日きょう(この3行ぎょうと次つぎの15行ぎょうを抜ぬいて最後さいごまで)

今年ことしもこの季節きせつがやってきた。

窓まどに目めを向むければ満開まんかいの桜さくら。薄うすピンク。

そういえば、あの時ときも満開まんかいだった。4年前よねんまえのことだ。

・・・・・・4年前よねんまえ(ここから15行ぎょうだけ)

「空桜そらざくらって知しってる?」

「そら、ざくら?」

おばあちゃんが私わたしに語かたりかけた。

最後さいごの老婦人ろうふじんは、作者さくしゃのおばあちゃんですよね!具体化ぐたいかしてみます。あおいところが、かえたところです。

動うごかす手てに、桜さくらがとけた空気くうきがからみつく。

薄うすピンク色いろのお昼寝ひるねしたくなるような陽ひだまりの中なか、私わたしの心こころに桜さくらがとけていった。

両手りょうてをそえると、花はなびらが、ひとひら、舞まい降おりた。

おばあちゃんに、この花はなびらをとどけたいな。

「来年らいねん、一緒いっしょに行いこうね。おばあちゃん。約束やくそくだよ!」

一瞬いっしゅんだったような、永遠えいえんだったような。

現実げんじつだったような、空想くうそうだったような。

ウグイスの鳴なき声ごえで、目めを開あけた。

手ての上うえにあった花はなびらは、なくなっていた。

小指こゆびに桜さくらの花はなびらを一枚いちまいとどけ、春風はるかぜは通とおり過すぎた。

さくら園えんは、桜さくらを見みおろせる高台たかだいにある施設しせつ。車くるまいすに乗のった老婦人ろうふじんのひざに、桜さくらの花はなびらが、舞まい降おりた。

「約束やくそくだよ!」

花はなびらは、ささやいた。

「咲さきちゃん?」

老婦人ろうふじんは窓まどの下したにひろがる、桜さくらの海うみを見みおろした。

「今度こんどは一緒いっしょに見みましょうね。空桜そらざくら。」

ピノすけ
ピノすけ
私わたしも空桜そらざくらを見みに行いきたくなりました。
ぴな
ぴな
今年ことしはガマンしようね。
ピノすけ
ピノすけ
そうだね!

第50回 優秀賞『僕の名前』馬場涼子さん

第50回(2019年) JXTG童話賞 【中学生の部 優秀賞】

文字数もじすうは1811文字もじ÷わる最大さいだい2000文字もじ=0.9055(91パーセント)

ぴな
ぴな
原稿用紙げんこうようし5まいが、かなりみっちりです。

1.構成力(こうせいりょく)

ピノすけ
ピノすけ
『B(ふつうかな?)』です。
はじめ・にゅうがく
●転校生てんこうせいがやってくる。
●転校生てんこうせいに声こえをかけられ、名前なまえを聞きかれる。
なか・せいかつ

●主人公しゅじんこうは、自分じぶんの名前なまえが嫌きらいだった。

●名前なまえをつけたお母かあさんは亡なくなっている。

●お父とうさんは、名前なまえの由来ゆらいを知しらない。

●2人ふたりで、図書館としょかんに行いく。

むすび・そつぎょう
●自分じぶんの名前なまえの意味いみがわかる。
●お母かあさんみたいになろうと思おもう。

途中とちゅう、『おバカさん役やく』で登場とうじょうするお父とうさんは、そのまま名誉めいよを回復かいふくされることはありません。
その一方いっぽう、亡なくなってしまったお母かあさんに最後さいごの場面ばめんで焦点しょうてんが当あたり、涙なみだを誘さそうはずですが、・・・

ぴな
ぴな
なんだか、もやもやがのこります。
ピノすけ
ピノすけ
読者どくしゃには、お父とうさんとの間あいだのミゾは、どうなるんだ?という印象いんしょうも残のこしてしまいます。
ぴな
ぴな
どうしたらいいの?
ピノすけ
ピノすけ
最後さいごの4.読後感どくごかんのところに、解決法かいけつほうを書かきますよ!

2.情報量(じょうほうりょう)

ピノすけ
ピノすけ
ここは『A(すごいね!)』です。

●転校生てんこうせいがやってくる。⇒ わくわくB
●転校生てんこうせいに声こえをかけられ、名前なまえを聞きかれる。 ⇒ わくわくB

●主人公しゅじんこうは、自分じぶんの名前なまえが嫌きらいだった。 ⇒ どきどきB

●名前なまえをつけたお母かあさんは亡なくなっていて、名前なまえの由来ゆらいを聞きくことができない。 ⇒ どきどきB

●お父とうさんは、名前なまえの由来ゆらいを知しらない。 ⇒ どきどきC

●転校生てんこうせいに名前なまえが嫌きらいなことを言いい当あてられる。⇒ わくわくB
●2人ふたりで、図書館としょかんに行いく。 ⇒ わくわくB
●『漢字かんじの由来辞典ゆらいじてん』という本ほんをみつける。 ⇒ どきどきB
●自分じぶんの名前なまえの意味いみがわかる。 ⇒ わくわくB
●お母かあさんみたいになろうと思おもう。 ⇒ わくわくB

ぴな
ぴな
わくわくBが9コと、どきどきCが1コです!

2.5にぃてんご.心こころのふれあい度ど

ピノすけ
ピノすけ
じっさいの「セリフ」とそのセリフできもちが動うごいたところも数かぞえました。
ぴな
ぴな
転校生てんこうせいのセリフが23行ぎょう、『僕ぼく』のセリフが12行ぎょうです。
心のふれあい度こころのふれあいど
ぴな
ぴな
転校生てんこうせいと『僕ぼく』のセリフが高校生こうこうせい・一般いっぱんの部ぶと同おなじように『2:1にぃたいいち』です。すごいですね。
ピノすけ
ピノすけ
これもいい感かnじですね。この割合わりあいで『A(すごいね!)』は4つめです!
ぴな
ぴな
『心こころのふれあい』というのは、『言葉ことばのふれあい』かもしれません!
ピノすけ
ピノすけ
いいね!『言葉ことばのふれあい』というのは、分わかりやすいね!

3.文法(ぶんぽう)

ピノすけ
ピノすけ
『A(すごいね!)』です。
ぴな
ぴな
それは、なぜですか?
ピノすけ
ピノすけ
表現ひょうげんの仕方しかたが、とても上手じょうずです。上うえの2作品さくひんで使つかいこなせなかった『焦点しょうてんをしぼるしくみ』が、実際じっさいに使つかわれているよ。
焦点しょうてんをしぼるしくみ(漸層法ぜんそうほう)

1点にしぼってフォーカスして、しぼってフォーカスして、しぼってフォーカスして、最後さいごに示しめす。

しかしそんなことは気きにせず、転校生てんこうせいは話はなしを続つづける。
「確たしか、『人生じんせいの花はなが咲さく』っていう言葉ことばもあるよね。意味いみは『努力どりょくが実みのって成功せいこうする』だったかな。私わたし、その言葉ことばを聞きくと『まっすぐに頑張がんばっている人ひとの姿すがた』がイメージできるんだけど、君きみはどう思おもう。」
『まっすぐに頑張がんばっている人ひと』。
僕ぼくには思おもい当あたる人ひとがいた。ずっと昔むかしの記憶きおくだから曖昧あいまいで、ぼんやりとしか思おもい出だすことができないけれど、確たしかにいた。僕ぼくの前まえでは辛つらそうな顔かおを一切いっさいしなかった人ひと。絶対ぜったいにあきらめなかった人ひと。絶対ぜったいに泣なかなかった人ひと。
「なんだか、お母かあさんに似にている気きがする。」
気きが付つくと、目めに涙なみだが滲にじんでいた。

ぴな
ぴな
人ひと、人ひと、人ひとと、しぼっていくと。お母かあさんにたどりつきます!

4.読後感(どくごかん)

ピノすけ
ピノすけ
これは『B(ふつうかな?)』です

最後さいごのところで、亡なくなったお母かあさんにおもいっきりフォーカスして、感動かんどうを呼よびこむ設定せっていになっています。

「僕ぼく、強つよくなろうと思おもう。お母かあさんみたいに、まっすぐに頑張がんばれる人ひとになりたい。」

ぴな
ぴな
ここなのよ。なにか、予想外よそうがいの展開てんかい。
ピノすけ
ピノすけ
亡なくなったお母かあさんにスポットが当あたり、おバカ役やくのお父とうさんのほうは、邪魔じゃまなだけです。
ぴな
ぴな
死しんでもらいますか?
ピノすけ
ピノすけ
そじゃなくて、多おおくの人ひとの共感きょうかんを呼よぶには、みんなを生いかしてあげるといいんんだ。
ぴな
ぴな
どうするんじゃ?

作者さくしゃは女子中学生じょしちゅうがくせいなので、お父とうさんとは距離きょりを置おきたい年頃としごろかもしれません。

ピノすけ
ピノすけ
こんなラストシーンを考かんがえてみると、お父とうさんを、とりあえず生いかしてあげて、評価ひょうかも上あげられると思おもいます。

本当ほんとうはお父とうさんに、僕ぼくの名前なまえの由来ゆらいなんて、聞きいたことなかった。
そもそも、幼おさない頃ころから、お父とうさんとは、ほとんど話はなしをしたことがない。
お父とうさんは、お母かあさんが亡なくなったのは、お父とうさん自身じしんのせいだと言いっていた。
だから僕ぼくも、お母かあさんが亡なくなったのは、お父とうさんのせいだと思おもっていた。

お父さんは朝あさから三食さんしょくぶんの支度したくをして、遅おそくまで会社かいしゃで働はたらいている。
夜よる、居間いまでだらしなく寝ねていたお父とうさんに、僕ぼくの名前なまえの由来ゆらいを聞きいてみた。

「身体からだの弱よわかったお母かあさんが、生うまれるお前まえのことを心配しんぱいしていた。
俺おれは、大丈夫だいじょうぶだ、男おとこの子こでも、女おんなの子こでも良いい、五体満足ごたいまんぞくで、なくてもいい。
俺おれたちが、全力ぜんりょくで受うけ止とめてあげれば、必かならず笑顔えがおの花はなが咲さくよって、お母かあさんと二人ふたりで考かんがえて、名付なづけたんだよ。」

ぴな
ぴな
いいはなしだね。長ながかったけどね。
ピノすけ
ピノすけ
これは、ぴなちゃんが産うまれるときに、ぼくがお母かあさんに言いったことだよ。
ぴな
ぴな
ここであたしがでてくるんけ。
ピノすけ
ピノすけ
ひとまず、お父とうさんが苦手にがてな自分じぶんを、許ゆるしてあげよう。
ぴな
ぴな
ついでに、おバカなお父とうさんも、許ゆるしてあげよう

。

こんなふうに、みんなを生いかすように書かいていくと、『A(すごいね!)』がもらえると思おもいますよ。

どんな表現ひょうげんやアイデアも、あなたが取とり入いれたら、あなたのものです。いい作品さくひんができるように、がんばってくださいね!

小学生むけ・ENEOS童話賞(エネオスどうわしょう)のたいさくを、べつのページでひらきます。

童話(どうわ)をかいてみよう!ENEOS童話賞(エネオスどうわしょう)を、べつのページでひらきます。

ABOUT ME
pinosuke
ぴのすけ@30年間、地方で物理の教師をやったあと起業してしくじり、いまは会社員をしながら再起動中です。 学校では、うつや不安症やアレルギーといった、心理面、健康面でのサポートが得意で、無理だと思われていた子も、不思議と学校に戻ってきました。 大きなしくじりを体験し、ビジネス面でも意外に「ついてる」ことが発覚。 これからはビジネスに重心を置いて、サポートの力を試していきます。