ぴなちゃんが幼稚園の頃、クラスの友だちに「ななちゃん」が2人いました。「ななちゃん」って呼んでみたら、二人ともふりむいたらしい。いい話。
それじゃ10人のななちゃんが返事をしたらどうなる?って聞いたら「10人いないよ。」なんて、さとされました。
そんなくやしかった体験が、10人そろってへんじをする話になりました。
10人がそろってへんじをすると、ばくだんみたいな武器になります。あいさつ爆弾。ただし、元気よくお返事しないと、効果がないですよ。
ぴなちゃんには、爆発するところがウケて「ぼんっ!の話して!」って何度言われたか分かりません。
ななちゃんたちの「はい!」の返事のところで、お子さんに「ぼんっ!」っていう効果音を入れてもらうと、いっそう楽しくなります。
もしも「ななちゃん」が1000人いたら?
ななちゃん、ななちゃんをつくる
なな ちゃんは、おばあちゃんからもらった まほうのぬの で、お人形をつくりました。
おかあさんのたんじょうびのために。
なな ちゃんそっくりなので、『 なな ちゃん』というなまえをつけました。(ないしょですよ!)

『ひっく、ひっく。』
なな ちゃんのおかあさんは、しゃっくりがとまりません。
『こまったわ、どうしましょう。』
(おへんじ、しますよ!)
なな ちゃ~ん!

はい!

ふたりの なな ちゃんの げんきなこえに、おかあさんは、びっくり。
しゃっくりが、とまりました。
『おにんぎょうのなまえも、なな ちゃんだったのね!ああ、おどろいた。』
『 なな ちゃんと なな ちゃん、いいおへんじだったわ!どうもありがとう!』

ななちゃんとななちゃんが、ななちゃんたちをつくる
なんと、おかあさんに、かんしゃされちゃいました。
でも、ないしょのおにんぎょうのことも、わかってしまいました。
あしたはおかあさんのおたんじょうび。どうしたらいいのでしょう?

ふたりの なな ちゃんは、4にんずつ、きょうだいをつくることにしました。ふたりが、4にんずつつくると、なんにんになりますか?

そう、10にん。しかも、みんなおなじかおです。みんな、 なな ちゃんというなまえをつけました。

お父さんがかえってきました。お父さんは、あしたが何の日なのか、おもいだせなくてこまっています。
『うんどうかい?どうぶつえんにいく日?おもいだせない! なな ちゃんなら、わかるかな?おしえてもらおう。』
なな ちゃ~ん!
(10人ですよ!さぁいくわよ!)

はい!

おとうさんは、げんきなこえにびっくりして、ひっくりかえりました。
『いったい、 なな ちゃんは、なんにんいるのー?』
びっくりしたはずみで、おとうさんはおもいだしました。
『ああ、そうそう、あしたは、ママのたんじょうびだったね!
わすれるところだった。みんなのおかげだ。どうもありがとう!』

おかあさんの、おたんじょうび
おとうさんは、 なな ちゃんたちに、10本のお花をかってきました。
おかあさんに、プレゼントするんですね!

おかあさんは、よろこんでくれるでしょうね。
それでは、おかあさんに、『おめでとう!』っていいますよ。(さあ、いくわよ!)

おめでとう!

まあ、 なな ちゃんたち、いったいなんにんいるの?
おいわいしてくれてありがとう。さあ、みんなでケーキをたべましょう!

おいわいのケーキを、みんなでいただきます。
おかあさんがロウソクの火をふきけすのを、みんなでみまもりました。


おばあちゃんの、おてつだい
その日、おばあちゃんから、おいわいのでんわがきました。
『おたんじょうび、おめでとう! こんど、あそびにきなさいね』
じつは、おばあさんには こまっていることがあって、・・・

にわにできた カキ と クリ を、とってくれる人がいないのです。

なな ちゃんは、ぴかりんと、アイデアがひらめきました。
『おおぜいでよべば、カキの木さんも、クリの木さんも、びっくりするはず!』

10にんの なな ちゃんは、9にんずつ、おともだちをつくります。
10にんで、9にんずつつくると、なんにんになるかな?

なんと、100にん。みんな、 なな ちゃんというなまえにしました。
100にんが そろっておへんじしたら、たいへんなことになるでしょうね。(だれかが、なまえをよぶと、どうなっちゃうかな?)

おともだちの ぴな ちゃんが、・・・あそびにきてしまいました。
ピンポーン
なな ちゃ~ん!
(100にんで、いくわよー)

はい!

ぴなちゃんは、ふきとんでしまいました。
『びーくり! なな ちゃんって、なんにんいるの~?』

なんと、いえがゆれました。
やねにすんでいたこうもりと、ゆかにすんでいたねずみが、みんなにげだしました。
『 なな ちゃんみてみて、どうぶつえんみたい!』

はじめてみた、こうもりやねずみに、 なな ちゃんと ぴなちゃんは、
おおよろこび。
なな ちゃんは、おもいました。
『げんきに おへんじ すると、なにか「いいこと」がおきるのね。』


おばあちゃんのうちにつきました。 なな ちゃんたちは、さっそく大きなクリの木の下にあつまりました。 「クリさーん」って、よびますよ。

くりさーん

あれあれ?

ざんねん!クリはおちてきませんでした。どうしてかなぁ?
100人の なな ちゃんたちは、しょんぼり。しかたないよね。
つぎは、カキの木でためしてみます。

こんどは、『カキさーん』って、よびますよ。

かきさーん

あれあれ?やppり、なんにも、おこりません。

ひとつだけ、おちてきました。

おひるごはんのじかんになりました。 なな ちゃんはどこにいるのかな?
なな ちゃ~ん!
おへんじしますよ!

つづく。
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